ページ

2018年8月8日水曜日

日本の相続はアメリカでも課税になるのか?

日本の相続は、基本日本でのみ課税対象


今回は、アメリカ市民権取得者・永住権保持者が、日本にいる日本国籍の親が亡くなった時にかかる相続税について、一般常識程度に調べてみました。

日本では、みなさんご存じのとおり、遺産を相続する人に相続税がかかり 納税義務があります。

まず、日本の相続税は、相続した遺産が日本国内・国外どこにあろうが相続税の対象になり 日本の相続税が課せられます。また、相続人は国籍・居住国に関係なく、日本の相続税の納税義務対象者になります。

つまり、私たち日本国外居住者も対象者です。
2013年4月1日よりアメリカ市民権取得者(非日本国籍者)も、日本国内外の全財産に対する相続税の納税義務対象者になりました。

遺産が日本国内だけにあり それだけを相続した場合、日本だけに相続税を納税する義務があるということです。
多くの人は、この日本だけに相続税を納税するに当てはまると思います。

アメリカ居住者(私たち)が、アメリカ国外居住者(日本に住んでいる親)から贈与・相続されたアメリカ国外財産には、アメリカの贈与税・遺産税の対象外になり課税されません

しかし、日本での贈与額・相続額が$100,000以上の場合、贈与・相続した内容と金額を IRSに報告する義務があります。

これは、報告する義務があるだけで、アメリカの贈与税・遺産税対象外なので 課税はされません

Form 3520 【Annual Return to Report Transactions with Foreign Trusts and Receipt of Certain Foreign Gifts】この報告書を提出します。

この報告を怠る または 遅延すると、ペナルティが課せられます。

この報告期限は、所得税申告時と同じ期限(4月15日)ですが、提出先は所得税申告先とは異なり ユタ州のOgden IRA Service Center に別途提出します。多くの人は間違って、所得税申告時に添付して提出してしまうようです。

アメリカでは、日本とは違い遺産を残す人に遺産税がかかりますが、実際には 残された遺産を相続する人が遺産税を納税することになります。

もし、日本にいる親がアメリカ国内にも資産を残して亡くなった場合、日本の親は アメリカ側からすると[非居住外国人]になり、遺産を相続するアメリカ居住者のアメリカ市民権取得者・永住権保持者には、アメリカの遺産税がかかります

たとえば、ハワイに不動産を所有していた親が亡くなった場合とかです。

この場合、アメリカで遺産税対象となるのは、アメリカ国内にある遺産のみ。
また[非居住外国人]名義のアメリカ銀行預金や生命保険金等は、非課税扱いになります。

ということは、日本とアメリカの両国で相続税・遺産税がかかるものもあるということになりますよね。
でも、[非居住外国人]で日本国籍を持っている親の場合は、その二重課税の回避のために【外国税額控除】というものを適用することができます。

親の遺産が日本国内だけにある場合、日本だけに相続税をかかり、アメリカでの遺産税はかかりません

関連記事
日本の相続税について
日本の相続放棄の手続き