2018年9月14日金曜日

市民権取得後でも日本の年金受給できます

年金受給の条件を満たせば、国籍関係ありません


アメリカ市民権を取得したら、もう日本の老齢年金は受給できないと思っている人、いませんか?

今回は、アメリカ市民権を取得した人でも、条件を満たせば 日本の老齢年金を受給することができるということについて。

条件とは、
日本の国民年金・厚生年金・共済年金の加入期間の合計が10年以上の人。
(会社員や公務員だった人は、厚生年金と共済年金に加入していた時 自動的に国民年金にも加入していたことになります。)

この条件は、日本国籍の人と全く同じです。

アメリカ渡米前に、日本で年金に10年以上加入していた人は、この条件を満たしています。

ここで、「じゃぁ私、日本で年金10年も加入してなくてアメリカに来たから、日本の年金はもらえないわね。」なんて思わないでください。

日本の年金加入期間が10年に満たない人は、『海外在住者』ということで10年にする方法があるんです。

『加入期間が10年以上』の条件を満たす方法が、日本国籍の人とアメリカ国籍の人で違いがあるだけです。

海外在住の日本国籍の人は、海外在住期間を【合算対象期間(カラ期間)】として足すことができます。この制度は、日本国籍の人だけ利用できる制度で、日本国籍以外の人は利用できません。

日本で年金に加入していた期間と、アメリカ渡米後 アメリカ市民権を取得してアメリカ国籍を取得するまでの期間(まだ日本国籍だった期間)の合計が10年以上ある人は、資格があります。

これはどういうことかというと、日本国籍だった期間は「カラ期間」を利用することができるからです。

アメリカ永住権取得からアメリカ市民権を取得できる資格を得るのに、最低でも3年はかかりますよね?

アメリカで永住権を取得した人で 日本で年金を7年以上加入していた人は、「カラ期間」を利用できて 合計が10年以上になると思います。

日本国籍だった期間に「カラ期間」を利用して『加入期間が10年以上』の条件を満たす前に アメリカ国籍を取得した人は、どうするのかというと【日米社会保障協定】を利用します。

この【日米社会保障協定】は、アメリカの年金制度加入期間(就労してソーシャルセキュリティー税を納めていた期間)を足すことができるというものです。足して10年以上になれば、日本の老齢年金の受給資格を得ることができます。

(この制度を利用する人は、少数派だと思いますが、どうでしょう?)

たとえば、日本で年金を5年納めて、アメリカに渡米しました。その4年後にアメリカ市民権を取得してアメリカ国籍になりました。この場合、アメリカ国籍になったあとは、「カラ期間」を利用できないので、この状態では合計9年です。このあと、アメリカで就労しなかった場合は、日本の年金を受給する資格がないことになります。

一方、アメリカ渡米後 最低1年以上就労してソーシャルセキュリティー税を納めた人は、10年以上になり 日本の年金を受給する資格ができます。

ただ、今回も 条件を満たしていれば受給できる資格が得られるということだけで、受給金額には反映されません。それは、日本の年金に加入期間及び納めていた金額によって決まります。

申請するのは、個人の選択によります。日本での年金の加入期間が1年とかで受給額があまりにも少額だったら、あえて申請しない方がいい場合もあると思います。

とにかく、日本国籍以外の人も条件さえ満たせば、日本の老齢年金を受給できる資格はあります。

あと、日本の老齢年金を受給する前に、【棚ぼた排除規定】のことを考慮して アメリカの老齢年金を先に受給し始めるようにした方がいいと思います。

日本の老齢年金のこと他にも記事にしてます。サイトマップからどうぞ。