2018年7月25日水曜日

永住権保持者のためのQDOT(適格国内信託)

Qualified Domestic Trust (適格国内信託)


またまた、遺産税にまつわる話題になります。(苦笑)

私、「夫にはいつまでも元気で、私より長生きしてほしい。」って思っているんですよー。でも、こういうことって 知っていて損はないと思うんです。

それでも、今回は 私を含めて対象者があまりいないと思うので、概要だけにしますね。

アメリカ市民の配偶者は、遺産税が無制限に非課税なのは みなさん知っていますよね。

しかし、永住権保持者の配偶者でも、アメリカ市民の配偶者にだけ与えられている[婚姻控除]のように、遺産税を無制限に非課税にできる選択はあります。

無制限に非課税というより、遺産税の支払いが一時的に免除になり、繰り延べになるということですね。

2018年度の連邦遺産税控除額は $11,200,000
(この控除額を超える額に対して、遺産税がかかります。)

Community Property (夫婦共有財産) の州に居住している夫婦は、この倍額。
Arizona, California, Idaho, Louisiana, Nevada, New Mexico, Texas, Washington, Wisconsin。

この控除額以上の資産を相続する場合

アメリカ市民権を取得しないで、遺産税を無制限に非課税にしたい場合、【Qualified Domestic TrustQDOT(適格国内信託)を作成できます。
これは、Trust(信託)の一種です。

概要としては、

アメリカ市民のご主人の遺産は、永住権保持者の配偶者の所有にはならず、Trust(信託)に預け入れる形になります。Trust(信託)管財人に運用・管理してもらうようになります。

永住権保持者の配偶者は、Trust(信託)から利子などの収入は受け取ることはできるようですが、気持ち的に 自分のお金であっても自分のお金ではないような。。。

ちなみに、QDOTについてのIRSのリンクです。

しかも、いくつか条件もあります。

Trustee受託者は、少なくても1人はアメリカ市民(普通 アメリカ国籍の子供)
Trustee管財人は、遺産額により アメリカの金融機関にすること、など。

遺産税免除にしてもらうには、とても制限があると思いました。

また、QDOTを設定する時、受取人(通常子供)も指定するので、最後に2人とも亡くなった時に 遺産が控除額以上あった場合、遺産税を納めるのは 通常子供になります。

あと、私は該当者ではないので考えなくてもいいのですが、私のように子供のいない夫婦は 誰を受託者にして作成すればいいのか 考えますよね。

どうして同じ配偶者でも、アメリカ市民と永住権保持者の 遺産税に対する扱いが違うのかを理解すれば、このQDOT(適格国内信託)の意味がわかります。

亡くなったアメリカ市民の遺産を相続した アメリカ市民ではない配偶者が、相続後 母国(またはアメリカ国外)に多額の資産を持ち出せないように、アメリカ国内のTrust(信託)に預け入れてしまうということだと思います。アメリカ市民には、アメリカ国外に持ち出すところがないという前提で。

Community Property (夫婦共有財産) の州以外に居住している夫婦は特に、連邦遺産税控除額以内になるように、ご主人から永住権保持者の奥さんに 毎年限度額内で資産を贈与し続けるのも、いいアイデアですよね? 2018年の年間控除額は $152,000です。

また、ご主人が亡くなったあとすぐなら、ご主人の代理人か永住権保持者の配偶者が このQDOTを作成できるようです。でも、遺産税申告書の提出期限前までに作成する必要はあるようです。

州によっても違うので、該当する人は Estate Planning専門の弁護士に聞いてみてくださいね。