2018年12月13日木曜日

日本の『被相続人』になる時に

海外在住者(市民権取得・永住権保持)の場合


今までは、親の財産を私たち子供が贈与・相続する場合を書いてきました。その場合は、親は日本に住所がある場合がほとんどだったと思います。

贈与者・被相続人が『日本に住所あり』になり、私たち子供が日本国内・国外どこに住んでいようが関係なく、国籍も関係ありません。贈与者・被相続人の日本国内・国外のすべての財産が贈与税・相続税の課税対象になり、私たちはその納税義務者になります。

では今回は、贈与者・被相続人に自分がなる場合について。

このブログを見てくれている人の多くは、アメリカ永住権保持者又はアメリカ市民権取得者でアメリカ在住、国際結婚して子供がいる人は 子供がアメリカ国籍を選択しアメリカに住んでいる等ですよね?

親から相続した財産が日本にある・アメリカでも財産を築いた、そんな人は日米に財産があるということになりますよね?

まず、日本在住の受贈者・相続人は、贈与者・被相続人が誰でも 日本国内・国外のすべての財産が贈与税・相続税の課税対象になります。

次に、日本の贈与税・相続税は、贈与者・被相続人の住所が日本国内か日本国外かによります。

日本に住所がない(アメリカ在住者)贈与者・被相続人は、その期間(10年以内か10年以上か)によって受贈者・相続人の課税対象になる財産が異なります。国籍は関係なく、日本国籍以外の人も納税義務者になります。

日本に住所が10年以上ない(アメリカ在住者)贈与者・被相続人で、受贈者・相続人が10年以下の海外在住者は、日本国内・国外のすべての財産が課税対象になります。受贈者・相続人が10年以上の海外在住者または外国籍は、日本国内の財産のみ課税対象になります。

日本に住所がある又は10年以下のアメリカ在住の贈与者・被相続人は、受贈者・相続人が誰でも 贈与者・被相続人の日本国内・国外のすべての財産が贈与税・相続税の課税対象になります。

ここで、日本国外の財産=アメリカの財産もです。日本に住所がある人と10年以下のアメリカ在住者の贈与者・被相続人は、日本の贈与税・相続税に アメリカの財産も課税の対象になるということです。

たとえば、アメリカに住んでいるアメリカ国籍の子供が、受贈者・相続人となり日本の贈与税・相続税の納税義務者になるわけですね。

また、アメリカ市民権を取得した人は『日本国籍なし』になり、アメリカに住所があるので『日本国内住所なし』になります。贈与者・被相続人も受贈者・相続人も外国籍の場合、通常日本国内の財産のみ課税対象になります。(受贈者・相続人が10年以下の海外在住日本人の場合は、日本国内・国外のすべての財産が課税の対象になります。)

日本の税制改正により平成25年(2013年)4月1日からは 日本国籍以外の人も納税義務対象者になり、平成29年(2017年)4月1日からは 『日本国内に住所がない』場合に適用される 日本国外居住期間が5年から10年以上になりました。

このように課税される財産の範囲がどんどん拡大されていきます。また次回の税制改正でどのようになるのかということですね。

ちなみに今まで書いてきたことは、日本にもアメリカにも相続税・遺産税を納めなくてはいけないほど財産がある人が対象になるということだと思います。