2018年6月13日水曜日

アメリカで受給する 日本の老齢年金はどこで課税されるのか?

「日米租税条約」により、アメリカでのみ課税。


「日米租税条約」とは、日米二国間での二重課税の回避を目的にできた条約です。
アメリカ在住者が受給する 日本の老齢年金は、日本では非課税・アメリカでのみ課税されるということです。(この課税対象額は、日本での課税対象額とは異なります。)

課税対象額

*65歳未満の人 年額 72万円(月6万円)以上
*65歳以上の人 年額120万円(月10万円)以上

つまり、この金額以下を受給する人は非課税対象者になります。
日本で非課税対象になり、日米での二重課税にはならないということです。
実際問題、アメリカ在住の長い人は課税対象になることはほとんどないといっていいと思います。少なくとも私ではありません。

まず、最初に課税対象者の場合(ほとんどの人は当てはまらないと思いますが・・)

「日米租税条約」により、

【租税条件に関する届出書】
【特典条項に関する付表】
【居住者証明書】(アメリカ IRSに Form 8802 を申請して手数料($85)を支払い [U.S. Residency Certification (Form 6166)] を発行してもらいます。)

の3点の書類の提出が日本側に必要となります。

これは、日本での源泉所得税を徴収されないようにするための手続きです。
この手続きをしないと、日本側とアメリカ側の両国で課税されてしまう二重課税になってしまうからです。

次に、非課税対象者の場合(ほとんどの人)

年金額が非課税枠なので日本で源泉所得税を徴収されません。
したがって、上記での3点の書類の提出は必要ありません
「年金額が源泉所得徴収の対象以下なので、日米租税条約に関する届け出等は提出しません。」という趣旨の申出書を添えることになるかもしれません。

ただ、65歳からは老齢年金額が老齢基礎年金と老齢厚生年金両方受給ということになり受給額が増えるので、月10万円以上の受給額になりそうな人は 注意してくださいね。

私は最近 実家(静岡県)の近くの年金事務所に電話して聞いてみました。たまたま電話に出られた方からは、「非課税対象者の人は、この「日米租税条約」に関する届け出は提出していただかなくて結構です。」という返答をいただき安心しました。

この「日米租税条約」は、アメリカ居住者で日本から老齢年金を受給する人だけが関わるものなので、まだまだ日本の年金事務所では認識されていない場合もあるかと思います。

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次回は、棚ぼた排除規定 Windfall Elimination Provision (WEP)について。