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2018年8月15日水曜日

アメリカでの終活について

終活とは、自分らしい最後を迎えるための準備


アメリカでの終活は、法律で認められたものも多く、『自分らしく』ができる選択枠が多いと思います。

リビングウィルを取り上げた時、【尊厳死】のことにも触れました。【尊厳死】と【安楽死】は、比べれらることが多く その定義の違いについて調べてみました。

安楽死】は、2018年7月時点で アメリカの中では カリフォルニア州・コロラド州・ハワイ州・モンタナ州・オレゴン州・バーモント州・ワシントン州の7州とワシントンD.C.だけが【Death with Dignity Act】を合法化しています。

終末期にある患者が、医師により処方された 死に至る薬を自分自身で服用し、自ら命を絶つことを認める法律です。

尊厳死と安楽死の大きな違いは、【尊厳死】は延命医療をせず寿命を延ばさない、【安楽死】は薬物投与などにより自ら寿命を縮める行為ということになると思います。

その当人にしかわからない 選択をするまでの葛藤、計り知れない精神的肉体的の苦痛による本人の意思による選択であって、他人がジャッジするものではないと 私は思います。

私は今まで、何度かアメリカ人の葬儀の告知を受け取り 参列したことがありますが、日本の葬儀とは全然違うことに 最初は戸惑いました。

まず、私が告知を受け取るそのカードの表紙には、【Celebrating the Life of 〇〇】とあり、中には『In Loving Memory of 〇〇』という言葉があります。故人の生まれた日と亡くなった日が明記されていて、まさに 故人が生きたその人生を称える・祝う会というのが私の認識です。

生まれてから亡くなるまでの、生い立ちが紹介されていたりビデオを流していたり、故人を偲んで 故人が生きていた時のエピソードを言い合ったり、といった会場が多いです。

なかには、「故人はハワイを愛した人なので、できたらアロハシャツを着て来てほしい。」とかって書いてあって、その当日は会場内がカラフルな色のアロハシャツで埋め尽くされていたこともありました。

週末の公園やビーチでBBQを食べながらだったり、故人が好きだった場所とかの野外が会場だったり、葬儀というよりお別れ会といった感じですよね。
私は、アメリカのこのようなお別れ会が 好きです。

私たち夫婦は『死』について普通に話ができる2人なので、たまに”もしも”の時をことを話します。もしものその時に、どうしてほしいかの希望はお互い伝え合っています。彼には 変なとこでこだわりがありますが、お互い忘れないようにしようね、と。

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アドバンス ディレクティブ(Advance Directive)事前指示

2018年8月14日火曜日

アドバンス ディレクティブ(Advance Directive)事前指示

終末期医療の選択 Advance Directive(事前指示)


前回のブログでは、リビングウィル(Living Will)を取り上げましたが、それだけでは不十分な場合があるということで、アドバンスディレクティブ(Advance Directive)【事前指示】があります。

1983年カリフォルニア州で [本人が意識不明等により 医療治療の自己決定ができない場合、予め本人が指名しておいた医療代理人の決定を有効とする]という内容の Durable Power of Attorney for Health care『持続的委任権法』が制定されました。その後、他州も制定されていきました。

リビングウィルは、本人が医師にじかに生命維持装置による延命治療を希望するかしないか等を明記した リビングウィルを提示して意思表示ができれば問題はないのですが、多くの場合それが不可能です。そこで、自分に代わって医師に提示してくれる人を前もって委任しておくことが必要になりました。

アドバンスディレクティブ【事前指示】とは、自分が将来自己判断能力が亡くなった時のために、リビングウィルの内容より 終末期のより広範囲な医療治療の希望等を指示したものが含まれ、事前に代理人を選択して その代理人に遂行してもらうように明記されたものです。その代理人には権限が与えられます。

アメリカには、DNR (Do Not Resuscitate)『蘇生措置拒否』という制度があり、終末期医療の際 心拍停止状態になった時に 蘇生措置を拒否するというもので、アドバンスディレクティブの中に指示することができます。

Five Wishes(5つの願い) 日本語版はこちらです。

Five Wishes(5つの願い)というほとんどの州で法的に認められたAdvance Directive(事前指示)の文書があります。非営利団体Ageing with Dignityによって作成されたAdvance Directive(事前指示)です。現在 27の言語と点字で利用可能です。

希望する内容を明記し、必要事項を記入して署名されたこの書類は、ほとんどの州で法的に有効な文書として認められています。州によって公証人が必要な場合があります。

ほとんどの州とは、42州とワシントンD.C.です。残りの8州 (アラバマ州・インディアナ州・カンザス州・ニューハンプシャー州・オハイオ州・オレゴン州・テキサス州・ユタ州)は、2018年時点で法的に認められていません。

ちなみに 数年前私の夫が、主治医のいる病院のERに行くことがありました。「医療処置がもう少し遅れていたら、、。」と言われました。幸いにもその後彼は回復しましたが、その病院のAdvance Health Care Directive(事前指示)を作成することにしました。

内容は、生命維持装置による延命治療の選択・蘇生措置の選択などがあり、私たちはお互いを代理人とし署名しました。私たちの場合、Notary Public (公証人)が必要でした。

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アメリカのリビングウィル(Living Will)
アメリカでの終活について

2018年8月13日月曜日

アメリカのリビングウィル(Living Will)

リビングウィル(Living Will)とは?


アメリカのWill(遺言書)は、皆さん知っていますよね?

ウィル(Will)には他にもリビングウィル(Living Will)というものがあります。

ウィルは 本人が亡くなった後の財産分与に関する遺言書だとすると、リビングウィルは 亡くなる直前の医療治療に関する遺言書になると思います。

リビングウィルは、1976年カリフォルニア州で『法的効果がある』と認める法律が制定されました。その後、州によって多少内容が異なりますが、すべての州で[終末期医療に関する自己決定を尊重する法律]が制定されました。

たとえば、病状末期で余命宣告され 昏睡状態になったり 脳死の状態になってしまい、本人に医療の意思決定能力がなくなった場合、死期を単に引き延ばすためだけの生命維持装置による延命治療を希望するかしないか等の、終末期に受ける医療に関する指示を明記したのが、リビングウィルです。

前もって、自分がそのような状態になった時に、何をしてほしいか・何をしてほしくないかといった医療治療についての要望を本人の意思により明記した書面です。

日本にはまだ尊厳死が法律で認められていないようですが、アメリカ他多くの国では認められています。

医療の介入(延命治療等)なしで、自分らしい生命の質(QOL Quality of Life)のある終末期を生きて、自己の尊厳を持って 自分らしく自然に死を迎えたいと思う人も多くなり、そのことは【尊厳死】とも言われています。

リビングウィルは、その気持ちを尊重してくれます。
このリビングウィル等がなければ、家族の代理意思に任せるか 医師の判断にゆだねるかになり、本人の意思は反映されないことになります。

病状末期の時に効力があるこのリビングウィルは、本人が事前に医療に関する要望を明確にしておくことで、家族のためということにもなります。

このリビングウィルがあることによって、医師も合法的に人工的な延命治療をせず 本人の希望通り自然に死を迎える状態にすることができます。

アメリカやイギリスでは、『本人が冷静かつ明確に望まない医療を拒否しているのなら、それに従うのが医療論理』だとされています。

私は今回 このリビングウィルについていろいろ調べて、とても勉強になりました。リビングウィルのようなものは、年齢問わず 突然の事故や病気に備えて、用意しておくといいと思いました。

実際、私たちは次回のブログで紹介する Advance Directive(事前指示)は数年前にあることがきっかけで作りました。

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