2018年11月9日金曜日

二重加入の日米の年金に要注意

日米社会保障協定の目的とは?


以前、日米社会保障協定のことをブログにして、日米で年金受給資格の期間に満たない場合でも、この協定が施行された2005年10月以降は、日本とアメリカ 両国の年金制度加入期間を通算できるようになったことを書きました。

今回は、この日米社会保障協定ができた背景を説明したいと思います。

この協定ができる前は、日米両国で就労する人 たとえば日本から来た駐在員は、日本とアメリカの両国の社会保障制度(年金・医療保険制度)に、二重に加入しなければいけませんでした。

それと、短い駐在期間の場合、アメリカでの年金受給資格を得るための期間に満たさず、アメリカでの社会保障制度(年金・医療保険制度)に加入して納めた額は、結局『掛け捨て』ということになっていました。

この日米社会保障協定の目的は、2つありました。

日米両国の年金・医療制度への二重加入の防止
日米両国の年金加入期間を通算できるようにし掛け捨てを防止

これらの問題をなくすため、この協定では、基本的には就労している国の社会保障制度だけに加入すればよいということになりました。(駐在期間が短い場合は、日本の社会保障制度に加入するという例外もあります。)

とにかく、二重加入はなくし いずれか一方の社会保険制度に入ればよいということになりました。
それと、1番初めに書いたように、日本とアメリカ 両国の年金制度加入期間を通算できるようになりました。

そうです、二重加入を防ぐのが目的のひとつです。

これはさきほどの駐在員の人には朗報ですが、この協定に私たちアメリカに居住している日本人も関係しているようです。

アメリカで就労していない人は ソーシャルセキュリティー税を納めていないので、二重加入には該当せず 問題ないようです。

しかし、アメリカに居住し就労してソーシャルセキュリティー税を納めながら、同時期 日本の国民年金を任意で納めている人は、二重加入だとみなされるようです。

二重加入とみなされると何が問題になるかというと、いざアメリカのソーシャルセキュリティーのリタイアメントベネフィットを受給する時に、リタイアメントベネフィットの受給額が減額されるようです。

リタイアメントベネフィットの減額された受給額を受給するか、日本の老齢年金の受給を諦めるかになってしまうかもしれません。が、せっかくずっと納めてきて、それはしたくないですよね?

もし、今現在両国でこのように同時期に二重加入している人は、税理士・会計士に一度 聞いてみるといいと思います。

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